- ホロスコープとは
- 2.ホロスコープの作成とその種類
- 3.ホロスコープの構造
- 4.ホロスコープ上の重要な4箇所
- 5.ホロスコープを読み解くためのポイント
- 6.ホロスコープの読解:サインの4元素
- 7.ホロスコープの読解:サインの3区分と2要素
- 8.ホロスコープの読解:星座(サイン)と天体の記号
- 9.ホロスコープの読解:ハウス1~6
- 10.ホロスコープの読解:ハウス7~12
- 11.ホロスコープの読解:アスペクト(座相)
- 12.ホロスコープの読解における注意点
ホロスコープとは
ホロスコープは、対象となる人が誕生した時に、10個の天体である「月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星」がどのように位置していたかを示すチャートのこと。
天体以外にも、星座(サイン)、ハウスやアスペクト(座相)なども描かれており、誕生時にどの天体がどの星座のどのハウスに位置し、天体同士がどのようなアスペクトであるのかを知ることで、その人が持つ資質や運命を推察していきます。
近年ではメディアにもよく使われている「12星座占い」が流行っていますが、これは天体の内、太陽の星座のみを使用しており、厳密に言うと本来の「占星学」とは違っています。
占星学とは、地球周囲を天体が回っているという「天動説」をベースにした考え方です。
そして、地球周囲を回っている太陽のルートは「黄道」と呼ばれ、天体や星座の位置をこの黄道に投影したチャートが、ホロスコープなのです。
2.ホロスコープの作成とその種類
ホロスコープを正確に作成するには、生年月日に加えて、出生の場所と時間が必要になります。
同じ日に同時刻で生まれたとしても、場所が少しでも違えば、ホロスコープも全く違ってくるのです。
とはいえ、自身の出生時間を知っている人はさほど多くはないもの。
母子手帳に書かれている時間でさえ、多少の誤差がありますから、過去の出来事と星の位置から占星学的に正確な出生時間を割り出す鑑定の「レクティフィケーション」を利用することが理想的です。
さて、ホロスコープの種類ですが、以下の3つに大きく分類されます。
*出生図(ネイタル)
対象となる人の誕生日・時刻における「天体の配置」を示したもので、その人の資質を知ることができます。
ただし、以下に挙げるプログレスやトランジット(トランシット)による天体の動きのタイミングであるかどうかで、実際に事象とはならないこともあります。
*進行図(プログレス)
対象となる人が誕生してからの「時間の流れ」を示したもので、1日は1年の象徴であるという考え方をベースにした「1日1年法(セカンダリー・プログレッション)、出生図を基に全天体を年に1度進ませる方法の「1度1年法」、同じく出生図を基に全惑星を同割合で進行させる方法の「ソーラーアーク・ディレクション(ソーラーアーク法)」などの方法があります。
その時に取り組みたいものは何か、関心事は何なのか、その人の立ち位置などを知ることができます。
*経過図(トランジット、トランシット)
判断すべき時期における、その時点での天体位置を示したもので、その影響によって起こる変化の推測が可能です。
天体の公転速度が遅いほど、影響力が強まるとされています。
上記3つは、ホロスコープの内側より出生図~進行図~経過図という三重円で表されています。
3.ホロスコープの構造
ではここで、ホロスコープの基本的な図をご解説しましょう。
実際には表示されていませんが、ホロスコープの中心に、観測者がいる地球を思い描いて下さい。
そこから横に伸びるラインが地平線になっています。
当然、宇宙の星々や私達が位置する地球も動いていますから、ホロスコープはまさに、その流れを捉えている図になるわけです。
そして、中に描かれている記号は、太陽系に位置する天体たち。
見かけ上逆行となることもありますが、これらの天体は基本的に反時計回りでじっくりと動いています。
そうなると、ホロスコープ上では、向かって左側が東、右側が西の地平線になりますから、東から西へと動くはずの太陽が逆になっていると思われますが、ホロスコープ自体が時計回りに動いているのです。
地球の自転は24時間で1回転となるため、太陽は東から西へと動いています。
1時間の違いで、15度ほど動くことになります。
同じ日に誕生した人であっても、誕生時刻により違ったホロスコープになる、つまり、占星術がターゲットの誕生時間を重要視する理由の詳細が、ここにあるわけです。
4.ホロスコープ上の重要な4箇所
ホロスコープには、上記に挙げた黄道に加えて、以下の重要な4箇所(ポイント)が位置しています。
*アセンダント(Asc)
東の地平線を意味しており、占星術においてとても重要なポイントになっています。
ここにどのような星や星座が位置しているかで、その人の容貌や性質などを知ることができます。
*エムシー(MC)
南中点であり、空で一番高い位置のこと。
MediumCoeliの略です。
社会的活動や人生において達成すべき目標などを示します。
*ディセンダント(Dsc)
西の地平線を意味し、社会における関わり方、人生で得ておくべき物事、パートナーなどを示します。
*アイシー(IC)
北中点でImumCoeliの略です。
ターゲットの心のよりどころであり、最も安らぎが持てる場所、帰りつく場所になります。
さらに、MCが意識的なエリアであることに対して、ICは無意識的なエリアを示しています。
5.ホロスコープを読み解くためのポイント
さて、ホロスコープを読解する上で最も重要なポイントといえば、月水星などの天体です。
そして、一般的に「12星座」と呼ばれている星座は、正式に「黄道12宮」とされ、占星学において星座ではなく「サイン」と呼ばれています。
そのサインは、実際夜空に見える星座とは違い、上記でご説明した黄道(360度)を、理論的に30度均一で12分割した、天体の所在地というイメージで捉えられています。
さらに、天体の活動場所・分野であるハウスについてですが、12の星座(サイン)と同じく、12分割されています。
12のうち、「1と7」、「2と8」などと、正反対に位置するハウスは、互いを完全へと補い合う関係性を持っているため、セットとして考えるといいでしょう。
最後に、アスペクト(座相)ですが、感受点である天体同士の間で成す特定角度を表しています。
天体とは、このアスペクトを形成することで強い特徴を持つ上、同じくアスペクトを形成している天体が持つ性質を取り込んで、また別の意味を新たに加えることもあるのです。
また、ホロスコープはギリシャ語で「時の見張り番」といった意味を持っていますが、その名の通り、ホロスコープの読解には、時間もまた重要なポイントになっています。
※時間については、上記の「ホロスコープの作成とその種類」に詳細を述べています。
6.ホロスコープの読解:サインの4元素
10惑星が属するサイン(星座)の性質より、ターゲットの大まかな性質を読み取ることができます。
そのチェック項目は、「4元素」、「3区分」、「2要素」が挙げられます。
まず4元素ですが、12星座は4つの元素(エレメント)である、「火、地、風、水」に分類されています。
以下、それぞれの性質をご覧下さい。
*火(Fire)
活力の象徴です。
積極的で向上心が強く、活動的、刺激的で冒険好き。
*地(Earth)
現実的かつ安定感を求めています。
地が固める性質を持つ通り、アイディアや考えを形にするには、このエレメントが必要です。
*風(Air)
知識・情報の象徴。
地とは真逆の性質を持つ風は、固まることはなく、流動し続けます。
自由を追い求める旅人的でもあり、社交家、知識人になりえることも。
*水(Water)
混ざり合うという水の性質から、共感性が高く、感情を重視することが言えます。
ただし、周囲に流されやすいため、ポジティヴな人との付き合いが好まれます。
また、水は霊性の象徴でもあり、スピリチュアルなパワーを持つ人もいるとされています。
7.ホロスコープの読解:サインの3区分と2要素
次に3区分ですが、12星座を「活動宮」、「不動宮」、「柔軟宮」と3種に分類しており、行動における性質を読み取ることができます。
*活動宮(カーディナル)
積極的で変化を好み、自発的ですが、維持・管理を苦手としています。
仕事では企画などに適性があります。
*不動宮(フィクスト)
変化を苦手とし、我慢強く同じ物事を繰り返し行うことが得意。
コツコツと自身のやり方で積み上げていく職種に向いています。
活動宮の人が持つアイディアを、時間をかけながら形にすることも得意です。
*柔軟宮(ミュータブル)
周囲に合わせた柔軟な対応が得意。
活動宮、不動宮双方の人ともうまく付き合えて、対立の仲裁や、間に入って衝撃を緩和することも得意ですが、自らの決断は苦手です。
そして2要素ですが、12星座を「男性宮」と「女性宮」の2つに分類し、ターゲットが持つ関心の方向性について知ることができます。
*男性宮
関心の方向性は、外部へ。
現実世界を好み、社会的、能動的、リアルな傾向あり。
*女性宮
関心の方向性は自身の内部や金銭を含む所有物、家庭へ。
精神世界を好み、家庭的、受動的、スピリチュアルな傾向あり。
ただし、男性らしさや女性らしさとは一切関係はありません。
2要素の名前について、現代では性差別的に捉える人もいるかもしれませんので、偶数・奇数などと置き換えてもいいでしょう。
8.ホロスコープの読解:星座(サイン)と天体の記号
まず、星座と天体の記号とその意味を記しておきましょう。
今すぐに暗記する必要はありませんが、興味がある方は、星座記号に秘められた神話について調べてみるのもおすすめです。
*12の星座記号
・(牡羊座)…勇ましく勇敢。
・(牡牛座)…マイペース型ではあるものの、強い性的欲求を持つ。
・(双子座)…よく動き、話し好き。
・(蟹座)…家庭的で、家族・身内に保守的。
・(獅子座)…自己表現力が強い。
・(乙女座)…几帳面、神経質。
・(天秤座)…ファッショナブルで社交的。
・(さそり座)…激的な性質。
・(射手座)…大胆であり、冒険好き。
・(山羊座)…地位と名誉の欲が強い。
・(水瓶座)…電波的でキャラクター色がしっかりと定まった天才であり、集団になれば社会を激動させるほどの影響力を持つ。
・(魚座)…メンタルは弱めだが、優しさは強力。
*10の天体記号
・(太陽)…社会性、人生での方向性を表す。
・(月)…感情的であり、陽の光によって満ち欠けるということから、反応の意味もあり。
・(水星)…知性、コミュニケーションを表す。
・♀(金星)…愛、美を表す。
・♂(火星)…性的欲求、闘争本能を表す。
・(木星)…拡大、発展を表す。
・(土星)…試練、制限を表す。
・(天王星)…革新の星。
・(海王星)…陶酔、魅惑の星。
・(冥王星)…破壊、再生の星。
9.ホロスコープの読解:ハウス1~6
ハウスは、私達の活動の場を意味しています。
サインや天体によって、ターゲットが持つ性質を知ることができても、その発動・活動場所がどのようなシーンであるのかを読み取るには、ハウスの読解が必要になるのです。
では、1~12のハウスをそれぞれ簡単に見ていきましょう。
*1 ハウス
このハウスは特殊で、活動場所というより自分自身を表していて、外見はもちろん、社会で見せる顔、雰囲気などを読み取ります。
*2 ハウス
所有、価値、才能など。
どのようにして財産を築き上げていくのかということも読み取ります。
*3 ハウス
知的活動を示すハウスで、コミュニケーション、高度な専門学習とは違うものの基礎学習などの勉学の他、小移動やきょうだいとの関係性も表します。
*4 ハウス
心の拠り所、必ず帰る場所、自身がくつろげる最適な場所です。
このハウスに星が多かったりする場合、社会よりも家庭を重視していることが多々です。
*5 ハウス
自己表現、遊びや趣味、恋愛など。
こちらに星が多く集中している場合、恋愛や遊びなどに人生の多くを費やすと言えるでしょう。
*6 ハウス
対象となる物事に尽くす、奉仕活動など。
仕事など社会への奉仕はもちろん、健康管理など自身の奉仕も含まれます。
10.ホロスコープの読解:ハウス7~12
*7 ハウス
上記の「ホロスコープを読み解くためのポイント」でも少し触れていますが、1ハウスの正反対のハウスになります。
1ハウスは自分自身なので、7ハウスは相手を表しています。
つまり、対人関係について。
パートナーシップも含まれますから、結婚のハウスでもあります。
*8 ハウス
自身と周囲との境界線が崩れ、共有を表しますから、7ハウスよりも人間関係は親密かつ濃厚で、性的関係のハウスでもあります。
他に、資産共有(遺産)も表します。
*9 ハウス
探求、チャレンジなど。
知的に探究心を膨らませ、様々なことに挑戦、専門知識を習得したりして、精神的な発達をメインとしますが、中には純粋に探求精神だけでの活動となってしまい、才能の無駄遣いになることも。
*10 ハウス
反対側の4ハウスが家庭などベースになる活動を表すのに対し、10ハウスは、求むべき社会的最終目標を表します。
また、名誉や肩書も含まれています。
*11 ハウス
人脈、コミュニティなど。
1人では成し遂げられない大きな物事を、同じ目的を持った協力者、仲間たちとともに、どのような関わりを持っていくのかなどを読み取ります。
*12 ハウス
潜在意識、ソウル、またその奥深くに潜むものを表しています。
11.ホロスコープの読解:アスペクト(座相)
星同士が組み合わさってできた中心角であるアスペクトは、その形成に、120度や90度などの特定角度が決められています。
もちろん、数値に少しのズレは許されていて、その許容範囲は「オーブ」と呼ばれています。
このオーブが狭いほど、アスペクト効果は高まるのです。
そして、惑星同士がアスペクトを形成した時ですが、「互いを意識しあった状況であり、そのパワーが干渉し合う」ことになるという意味が込められています。
強調しあってパワーを高めることもあれば、逆に衝突で互いのパワーを弱めてしまうことも。
さて、そんなアスペクトは、以下のように分類されています。
ただし、良し悪しで分類されているのではなく、どちらにもメリット・デメリットがあります。
*分類1:ソフトアスペクト(イージーアスペクト)
惑星同士が良い状態で影響している角度であり、ホロスコープ上では青い線で表示されています。
*分類1:ハードアスペクト
惑星同士のパワーが衝突するなどストレス性が高い角度であり、赤い線で表示されています。
※ただし、0度(コンジャンクション)は例外で、ソフト、ハード双方に変化します。
*分類2:メジャーアスペクト
具体的な度数は「0、60、90、120、180」を指し、高い重要性を持ち、私達に及ぼす影響は強力です。
*分類2:マイナーアスペクト
メジャーアスペクト以外の度数。
マイナーアスペクトも重要になることがあります。
12.ホロスコープの読解における注意点
ホロスコープを読み解くには、ある程度の知識は当然ながら、経験も必要であると言えます。
占星学やホロスコープについての本を読んだり、多くの人のホロスコープを読み解いたりしていくうちに、それぞれの意味を自分なりにうまくまとめられるようになります。
ただし、その読み方でとても重要な注意点として、「可能性に制限をかけてしまう間違った読解をしない」ことを覚えておきましょう。
例えば、制限や障害を司るという土星が、結婚のハウスに位置したからといって、生涯独身となってしまうと考えたり、星がハウスに無いことから低収入を嘆いたりと、良いか悪いかという2択だけで解釈してしまうことは、完全に間違った読み方なのです。
本来、占星術自体がおみくじではありませんし、確かにホロスコープは、ターゲットの長い人生において、その一端を知らせ何らかのヒントを与えてくれるものですが、単に良し悪しを決定づけているのではないのです。
どの人生も、複雑に絡み合った無限の可能性が秘められていること、自分次第でその可能性も変化することを心にとめておきたいですね。
「こうなることは決まっていたから」と全てを受け入れてしまうのではなく、自らの力で創り出し、自らの可能性を信じて選ぶことが「運命」です。
ホロスコープを読み解いていく上で、思いもしなかったショックな事象を感じることもあるかもしれませんが、そこに隠されたヒントを見出すことが大切であり、望む運命を切り開くことになるはずです。